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平成17年度税制改正大綱

超簡単!税情報 2005年1月9日発行(第128号)

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   □□□「超簡単!税情報 初心者のための税のいろは」□□□

発行元:社団法人 杉並青色申告会 2005/1/9 No128   読者数:4079
https://www.aoiro.org/

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あけましておめでとうございます。本年最初のメルマガです。東京では大晦日
は久しぶりの大雪で(東京にしては)外出するのに一苦労でした。お正月休みは
たっぷりリフレッシュしたので確定申告に向けてがんばりたいと思います。

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┃■身近な税の話   「平成17年度税制改正大綱」          ┃
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今回は昨年12月15日に発表された自民党の平成17年度税制改正大綱について
話します。
 
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定率減税の縮小
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今回の税制改正大綱は全体的に小規模な改正となりました。その中で個人事業
者ならびにサラリーマン(給与所得者)に大きな影響をあたえる改正が「定率減
税の縮小」です。

●現行
所得税額の20%
※ただし最高25万円まで

個人住民税額の15%
※ただし最高4万円まで

●改正案
所得税額の10%
※ただし最高12.5万円まで

個人住民税の7.5%
※ただし最高2万円まで

○実施時期
所得税が平成18年1月から
住民税が平成18年6月徴収分から

つまり所得税も住民税も現行の半分の減税率となります。
しかし所得税で減税率が10%減ると1割税額が増えるという訳ではありません。

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例)現行で所得税を16万円支払っている場合
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現行の税率が20%定率減税をされているため

16万円 (ア)/0.8=20万円(定率減税前の税額)
20万円×0.9=18万円(イ)(改正案による定率減税後の税額)
18万円(イ)-16万円(ア)=2万円(改正案による増税額)

つまり12.5%の増税となります。

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住宅借入金等特別控除の適用拡大 
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耐震性のある中古住宅についての適用条件が拡大しました。

●現行
耐火建築の建物(鉄筋コンクリート等)は建築後25年以内、
それ以外の建物は建築後20年以内

●改正案
耐火建築の建物(鉄筋コンクリート等)については、築年数の制限がなくなりま
す。

平成17年4月1日以後の住宅取得から適用されます。

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Q.私は68歳で妻(60歳、所得金額0円)がおります。給与収入が400万円で社会
保険を20万円支払ました。その場合の平成15年分と平成18年分ではどのくらい
税額が変わりますか?

A.
●平成15年
400万円(給与収入)-134万円(給与所得者控除)=
266万円(給与所得)・・・(1)

266万円(1)-20万円(社会保険料控除)-50万円(老年者控除)-38万円(配偶者控除)-
38万円(配偶者特別控除)-38万円(基礎控除)=
82万円(課税すべき所得金額)・・・(2)

82万円(2)×10%
=82,000円(所得税額)・・・(3)

82,000円 (3)×20%(特別減税率)=
16,400円(特別減税額)・・・(4)

82,000円 (3)-16,400円(4)
=65,600円(納付すべき税額)

●平成18年
400万円(給与収入)-134万円(給与所得者控除)
=266万円(給与所得)・・・(1)

266万円(1)-20万円(社会保険料控除)-38万円(配偶者控除)-38万円(基礎控除)
=170万円(課税すべき所得金額)・・・(2)

170万円(2)×10%
=17万円(所得税額)・・・(3)

17万円(3)×10% (特別減税率)
=17,000円(特別減税額)・・・(4)

17万円 (3)-17,000円(4)
=153,000円(納付すべき税額)

平成15年と平成18年の相違点は
(1)配偶者特別控除と配偶者控除の同時適用の廃止
(2)老年者控除の廃止
(3)定率減税の縮小(20%→10%)

153,000円 -65,600円により税額が87,400円異なります。
これにより、住民税や国民健康保険の支払う金額も変わってきます。

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昨年、一昨年に比べると個人事業者にとって影響が少ないといっていいと思い
ます。今後とも税制の動きには注視していく必要があります。

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次回からは医療費の還付申告についてお話します。

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