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平成16年度税制改正 5

超簡単!税情報 2004年7月4日発行(第105号)

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   □□□「超簡単!税情報 初心者のための税のいろは」□□□

発行元:社団法人 杉並青色申告会 2004/7/4 No105   読者数:4146
https://www.aoiro.org/

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皆さん、こんにちは。来週は参議院選挙ですね。今回の選挙の争点の一つが
「年金」だと言われています。マスコミでは年金の問題点を数多く取り上げて
います。今回はあくまでも私見ですが「年金」の有利な点を少し取り上げたい
と思います。

[1]終身です。人間にとって加齢や老齢は1つの問題です。一定以上の年を取
れば収入は下がるし、健康は不安定になります。高齢になれば生命保険にも入
りづらくなり医療費もかさみます。そんなときに100歳でも120歳でも死ぬまで
給付されるのは安心です。

[2]物価スライド制です。年金は長期間かけ続けるものですが、その間にイン
フレにより物価が上昇することが考えられます。その際に「物価スライド制」
だと給付額が物価の上昇とともに上がるため、実質的な給付額の価値はそのま
まです。

[3]「障害」という事由でも給付されることです。一生の間に「障害」により
収入が減少することがあります。その際に、決められた等級に応じた年金が障
害である間は終身で給付されます。

上記のような年金の「有利な点」を生かしながら、世代間、職業間の違いがな
い公平な制度にしていただきたいものです。

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┃■身近な税の話   「平成16年度税制改正 5 」         ┃
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前回に続き、譲渡の話です。譲渡は難しいのですが、手続きをしないと適用で
きないというケースが多いので、土地や建物等の資産の売却をした方は注意し
て下さい。

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特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の新設
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平成16年1月1日から平成18年12月31日までの間に、居住用の家屋又は土地で
その年1月1日において所有期間が5年を超えるものを譲渡した場合において、
一定の譲渡損失が生じたときは、下記の要件のいずれにも該当したときは、土
地、建物等の譲渡による所得以外の所得との通算及び翌年以後3年間繰り越し
控除できる制度が新設されました。

<要件>
1)その年又はその年の前年以前3年内においてこの特例及び居住用財産の買換
え等の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用を受けていないこと。

2)その年の前又は前々年の資産譲渡につき、居住用財産に係る特例の適用を受
けていないこと。

<申告手続き>
1)損益通算の特例の適用を受ける場合
○譲渡損失の金額の計算に関する明細書他一定の書類を添付した確定申告書を
提出する

2)繰越控除の特例の適用を受ける場合
○譲渡損失が生じた年分の所得税を期限内に提出する

○譲渡損失を生じた年以後の年分も連続して確定申告を提出する

○確定申告書に控除を受ける金額の計算に関する明細書他一定の書類を添付する

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株式等に関する改正
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1)上場株式等以外の株式等の税率の引き下げ

[改正後]  [改正前]
15%    20%

2)上場株式等の拡大

公募株式投信信託の受益証券及び特定投資法人の投資口を譲渡した場合、上場
株式等の譲渡と同様に、優遇税率(7%)並びに繰越控除の対象となりました。

1)、2)とも平成16年1月1日以後について適用されます。

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先週の内容について下記のような質問がありました。

Q.20年前に2,000万円で購入した土地を4,500万円で売却する予定です。その
時の税金はどのようになりますか。売却費用500万円、譲渡所得以外の所得は
ありません。所得控除は基礎控除(38万円)以外はありません。

A.
4,500万円(売却金額)-{2,000万円(購入金額)+500万円(売却費用)}
=2,000万円(譲渡所得金額)・・・(1)
2,000万円(1)-38万円(基礎控除)=1,962万円(課税される所得金額)・・・(2)
1,962万円(2)×15%(新税率※)=294.3万円(税額)・・・(3)
294.3万円(3)-25万円(特別減税)=269.3万円(納めるべき税額)

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※税率の引き下げ
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土地・建物等の譲渡所得の税率が引き下げられました。

<長期>

[改正後]             [改正前]
所得税15%(他に住民税は5%)    所得税20%(他に住民税6%)

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次回は源泉税についてお話します。

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