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税金からみる後期高齢者医療制度 1

超簡単!税情報 2008年7月14日発行(第153号)

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   □□□「超簡単!税情報 初心者のための税のいろは」□□□

発行元:社団法人 杉並青色申告会 2008/7/7  No153  読者数:5125人
https://www.aoiro.org/

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皆さんこんにちは。
今回は、今年4月1日から始まった今話題の「後期高齢者医療制度」(通称:長
寿医療制度)をあまりマスコミでは報道されていない、「税金」の視点からご
説明したいと思います。
第1回は制度の概要についておさらいします。

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┃■身近な税の話   「税金からみる後期高齢者医療制度 1 」          ┃
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後期高齢者医療制度とは
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近年、高齢化の急速な進展により財政負担が増加の一途であった。それに対応
するとともに、高齢者に対する医療体制の構築のために創設されました。

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対象者(被保険者)
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75歳以上の者
65歳以上で障害認定を受けた者

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保険料
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保険料は各医療広域連合により異なります。
今回は東京都後期高齢者医療広域連合の保険料算出方法についてご説明致しま
す。

<均等割>
37,800円(平成20・21年度)

<所得割>
所得-基礎控除×6.56%

保険料の計算は、国民健康保険のように「世帯」ではなく、「個人」単位で計
算します。

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保険料計算(例)
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年金額が300万円の場合

(所得割)
300万円-120万円(公的年金控除)-33万円(基礎控除額)×6.56%=
96,432円(1)

(均等割)
37,800円(2)

96,432円(1)+37,800円(2)=134,200円(年額)

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軽減措置
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1.(均等割)

1)総所得金額(※1)が33万円以下の場合、7割減額で均等割額は11,340円

2)総所得金額(※1)が33万円+(24.5万円×世帯主を除く被保険者数)
以下の場合、5割減額で均等割額は18,900円

3)総所得金額(※1)が33万円+(35万円×被保険者数)以下の場合、
2割減額で均等割額は30,240円

(※1)同一世帯の被保険者や被保険者でない世帯主それぞれ分を判断
します。

年金収入については、総所得金額から15万円が控除されます。

2(所得割)
東京都の独自制度について、説明します。
1) 総所得金額が48万円(旧ただし書き所得(※2)15万円)以下の場合、
100%減額

2) 総所得金額が53万円(旧ただし書き所得(※2)20万円)以下の場合、
75%減額

3) 総所得金額が73万円(旧ただし書き所得(※2)40万円)以下の場合、
50%減額

4) 総所得金額が88万円(旧ただし書き所得(※2)55万円)以下の場合、
25%減額

(※2)旧ただし書き所得とは、前年度の総所得等から基礎控除額33万円を
控除した額です。

3(被用者保険の被扶養者だった方)
制度加入の前日まで政府管掌健康保険等の被用者保険の被扶養者は、加入後
2年間に限り
「均等割額」を5割軽減し、所得割は賦課されません。

(注)上記の1(均等割)軽減措置の「7割又は5割」が適用できる方は、
所得割の軽減制度
(所得割を賦課しない)は適用されます。

4(給付費が著しく低い地域への不均一賦課)
1人あたりの医療給付費が東京都全体の1人あたりの医療給付費の平均より
20%以上低い
町村では、平成20年度から25年度に限り保険料を低く設定しています。
東京都では、日の出町、大島、桧原村等です。

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軽減措置(例)
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夫(世帯主)が年金190万円、妻の年金が70万円で夫婦とも被保険者の場合

(均等割)
夫) 190万円-120万円(公的年金控除)=70万円(総所得金額)
70万円(1)-15万(年金収入からの控除)=35万円(1)

妻) 70万円-120万円(公的年金控除)=0円(総所得金額)(2)

5割減額 33万円+(24.5万円×1人)=57.5万円>(1)又は(2)となり
均等割保険料は2人とも18,900円(2人合計37,800円)となります。

(所得割)
夫)190万円-120万円(公的年金控除)-33万円=37万円
(旧ただし書き所得)(3)
妻)70万円-120万円(公的年金控除)-33万円=0円
(旧ただし書き所得)(4)

37万円(3)×6.56%=24,272円(5)

上記により50%の軽減措置が受けられるため、

24,272円(5)×50%=12,136円(6)(夫の所得割保険料)

夫)18,900円(均等割)+12,136円(所得割)=31,000円(保険料)
妻)18,900円(均等割)のみ

夫婦合計で49,900円となります。

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徴収方法
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原則、年金からの「特別徴収」(天引き)となります。
年金が年額18万円未満の方や年度途中で75歳となった方などが「普通徴収」
(納付書で納付)
となります。

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都道府県で保険料等が異なります。詳細については、お住まいの市区町村に
お問い合わせ下さい。

次回は具体例を交えて、税金や保険料の視点からお話します。
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