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小規模宅地の特例の改正について

2014年11月28日発行(第189号)

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□□□「超簡単!税情報 初心者のための税のいろは」□□□

発行元:公益社団法人 杉並青色申告会 2014/11/28 No189 読者数:3,530人
https://www.aoiro.org/

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皆さんこんにちは。

いよいよ改正相続税が施行される平成27年1月1日が近づいてきました。

今回の改正はかなり影響の大きい改正となりますので、予めご自身や家族の相
続についてよく検討することをお薦めします。
また、当会では所得税決算確定申告指導会を1月26日~3月16日に開催致します。
3月11日までが予約制となっており、下記より予約可能です。

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┃■身近な税の話   「小規模宅地の特例の改正について」      ┃
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1 小規模宅地の特例とは

相続又は遺贈により取得した財産のうち、被相続人等の居住用の宅地や事業用
の宅地等について、限度面積まで最大80%減額できる制度です。

1.現在の内容(平成26年12月31日までに相続が開始した場合)
※m2=平方メートル

<利用区分>
      利用区分               限度面積  減額割合
【1】被相続人等の貸付事業以外の事業用の宅地等   400m2    80%

【2】特定同族会社事業用宅地等           400m2    80%

【3】法人への貸付事業用宅地等           200m2    50%
  (法人は事業用として利用)

【4】法人への貸付事業用宅地等           200m2    50%
  (法人は貸付事業用として利用)

【5】被相続人等の貸付事業用宅地等         200m2    50%

【6】被相続人等の居住の用に供されていた宅地等   240m2    80%

<限度額の計算>

(【1】+【2】)+【6】×5/3+(【3】+【4】+【5】)×2≦400m2

2.改正(平成27年1月1日以後に相続が開始した場合)内容

      利用区分               限度面積  減額割合

【1】被相続人等の居住の用に供されていた宅地等   330m2    80%
【2】貸付事業以外の事業用の宅地等         400m2    80%
【3】特定同族会社事業用宅地等           400m2    80%
【4】被相続人等の貸付事業用宅地等         200m2    50%

<限度額の計算>

次のいずれかに該当するかどうかに応じて限度面積の判定

A.【1】又は【2】及び【3】を選択する場合

【1】≦330m2であること。また(【2】+【3】)≦400m2であること。
  ⇒最大730m2まで適用可能

2 【4】及び【1】、【2】又は【3】を選択する場合

【1】×200/330+(【2】+【3】)×200/400+【4】≦200m2

3.施行時期

平成27年1月1日以後に相続又は遺贈

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例)自宅を150m2、貸付用の土地を100m2をもっている場合の小規模宅地の計算
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<改正前>

150×5/3+100×2=450

400m2までしか適用できない

<改正後>

150×200/330+100=190

全て該当

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Q. 親と同居をして居なかったのですが、相続した親が住んでいた土地に小規
  模宅地の特例を適用することはできますか?

A. 下記の要件の全て当てはまる時、適用可能です。

 (1)相続開始時に、被相続人又は相続人が日本国内に住所を有していること、
   又は相続人が日本国内に住所を有していない場合で日本国籍を有してい
   ること

 (2)被相続人に配偶者がいないこと

 (3)被相続人に同居の親族がいないこと

 (4)相続の開始前3年以内に相続人又はその配偶者の所有する家屋に住んで
   いない

 (5)その宅地を相続税の申告期限まで有している

上記以外に事業用宅地や特定同族会社事業用宅地等での適用条件が異なります
のでご注意下さい。
 

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Q. 二世帯住宅の適用条件が改正されたと聞きましたが、どのような改正です
  か?

A. 内部で行き来できるか否かを問わず同居しているものとして特例が適用で
  きるようになりました。

  ただし、建物を親(被相続人)と子で区分所有している時は、親(被相続人)
  が区分所有している割合に該当する土地のみが適用の対象となります。

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例)自宅を200m2の土地に100m2の建物が立っており、1階と2階で二世帯住宅と
  なっている。(1・2階とも床面積は同じ)
  1階と2階を区分所有と共有所有との評価の違いは?(路線価格40万円/1m2)

───────────────────────────────────
〇共有所有の時

200m2×40万円×20%=1,600万円(評価額)

〇区分所有の時

100m2×40万円×20%+100m2×40万円=4,800万円(評価額)

この例だと3,200万円の違いがあります。

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Q. 老人ホームの入所に関しての小規模宅地の特例の適用条件が改正されたと
  聞きましたがどのような改正ですか?

A. 被相続人が老人ホームに入所し、居住しなくなった建物の敷地について
 (1)介護が必要になり入所したこと
 (2)居住していた建物を貸付等にしていないこと
  の両方を満たす場合は、適用できるようになりました。

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次回は、フリーランスの間違いやすい経費についてご説明致します。

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