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消費税に対応した記帳方法2

超簡単!税情報 2004年11月7日発行(第121号)

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   □□□「超簡単!税情報 初心者のための税のいろは」□□□

発行元:社団法人 杉並青色申告会 2004/11/7 No121   読者数:4089
https://www.aoiro.org/

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皆さん、こんにちは。アメリカ大統領選挙もブッシュ大統領の再選で幕を閉じ
ました。これからの世界の行く末や日本経済の動向が非常に気にかかります。
しかし、私が最も気にしているのはもうすぐ所得税の確定申告シーズンが来る
ことです。今から少しずつ準備を進めています。

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┃■身近な税の話   「消費税に対応した記帳方法2」         ┃
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次回に引き続き、先日開催した「消費税記帳方法説明会」の内容をご説明いた
します。今回は「本則課税」の記帳方法です。
 
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記帳方法
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消費税の記帳方法には(1)税込み処理方式と(2)税抜き処理方式の2つがありま
す。
 
(1)税込み処理方式
 
売上又は仕入(消費税でいう「仕入」には、一般にいう仕入に加え、経費の支
払も含みます。)に係る消費税額は、売上金額、仕入れ金額、経費、固定資産
等の取得金額に含め記帳します。このため、事業の損益は消費税によって影響
されますが、税抜き計算の手数が省けます。
 
※納付した消費税額は租税公課として必要経費に算入します。また、還付され
た消費税額は雑収入として収入に算入します。
 
(2)税抜き処理方式
 
売上又は仕入に係る消費税額は、仮受消費税又は仮払消費税として記帳します。
このため、事業の損益は、消費税によって影響されませんが、税抜き計算の手
数がかかります。
 
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税込み経理方式と税抜き経理方式の違い
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例)10,000円の商品を税込み10,500円で販売した
 
<税込み経理>
現金 10,500円  売上     10,500円
 
<税抜き経理>
現金 10,500円  売上     10,000円
         仮受消費税    500円
 
※以下では「税込み処理方式」でご説明します。
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本則課税に対応した記帳方法 
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本則課税は、下記の方法で納付する消費税額を計算するため、それに併せた記
帳が必要です。
 
「納付する消費税額」=「売上に係る消費税額」-「仕入等に係る消費税額」
 
「売上に係る消費税額」=「1/1~12/31の課税売上高(税込み)」×5/105
 
「仕入等に係る消費税額」
         =「1/1~12/31の課税仕入高(税込み)(注1)」×5/105

 
(1)「売上」の記帳方法
 
課税売上と非課税売上を分けて記帳します。摘要欄に「課税」「非課税」の別
を記入すると良いでしょう。
 
※非課税売上のない人(課税売上だけの人)は従来どおりの記帳方法でかまいま
せん。
 
例1)10/18に課税商品Aを現金52,500円(内税金2,500円)で販売した。
例2)10/20に非課税商品Bを現金40,000円(非課税)で販売した。
 
 
                 現 金
 
日付    摘   要      借  方   貸  方   差引残高
 
10/18   売上 商品A     52,500円           ×××
10/20   売上 商品B     40,000円           ×××
 
 
                 売 上
 
日付    摘   要      借  方   貸  方   差引残高
 
10/18   現金 商品A(課税)          52,500円   ×××
10/20   現金 商品B(非課税)         40,000円   ×××
 
       10月合計            92,500円
       10月課税合計          52,500円
       10月非課税合計         40,000円
 
(2)「仕入れ」「経費」の記帳方法
 
課税仕入れとそれ以外の仕入れ(非課税仕入れ)を分けて記帳します。摘要欄に
「課税」「非課税」の別を記入すると良いでしょう。
 
例1)10/18に課税商品Cを山田商店から現金63,000円(内税金3,000円)で仕入れ
た。
例2)10/20に新製品の商談のため、竹田商店を接待した。飲食代31,500円(1,50
0円)をふぐ割烹に支払った。

例3)10/21に得意先の田中商店のお通夜があり、香典10,000円を支払った。
 
                現 金
 
日付    摘    要    借  方    貸  方   差引残高
 
10/18   仕入 商品C 山田商店       63,000円    ×××
10/20   接待 飲食 ふぐ割烹        31,500円    ×××
10/21   接待 香典 田中商店        10,000円    ×××
 
 
                       仕入れ
 
日付    摘    要    借  方    貸  方   差引残高
 
10/18   現金 商品C (課税) 63,000円           ×××
 
       10月合計       63,000円
       10月課税合計     63,000円
 
(注)この例では仕入れは全額「課税仕入れ」としています。
 
                       接待交際費 
 
日付    摘    要    借  方    貸  方    差引残高
 
10/20 現金 飲食 ふぐ割烹 課税 31,500円           ×××
10/21 現金 香典田中商店 非課税 10,000円           ×××
 
 
       10月合計          41,500円
       10月課税合計        31,500円
       10月非課税合計       10,000円

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Q.課税仕入れを記帳するときは、どのようなことを記入すればよいですか?
 
A.帳簿の記載事項としては
(1)課税仕入れの相手方の氏名又は名称
(2)課税仕入れを行なった年月日
(3)課税仕入れの取引内容
(4)課税仕入れの対価額
 
なお、不特定多数の者から課税仕入れを行なう事業に係る課税仕入れについて
は、(1)を省略することができます。
 
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次回は、「簡易課税」に対応した記帳方法についてお話します。

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