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消費税 2

超簡単!税情報 2003年3月30日発行(第41号)

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   □□□「超簡単!税情報 初心者のための税のいろは 」□□□

発行元:社団法人 杉並青色申告会 2003/3/30 No041  読者数:1806
https://www.aoiro.org/

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皆さん、こんにちは。東京にもさくらの開花宣言がでましたね。先週に比べ随
分暖かくなりました。雨が降らないといいのですが・・・。いよいよ明日は消
費税の申告期限です。口座振替にしていない方は納付期限でもあります。遅れ
てしまうと延滞税がつくので十分注意して下さい。

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┃■身近な税の話 「消費税」      ┃
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今回は簡易課税についてお話しします。
年末の内容の復習も含めて説明していきます。

<簡易課税制度>
実際の課税仕入れ等に係わる消費税額を計算するのではなく、事業ごとに決め
られたみなし仕入れ率により消費税額を計算する方法です。

簡易課税で申告できる人は
1. 課税事業者で
2. 基準期間における課税売上高が2億円以下で
3. 課税期間が始まる前日までに
4.「消費税簡易課税制度選択届出書」を所轄税務署長に提出した人です。

※平成16年から簡易課税制度を選択する場合には
上記届出を平成15年12月31日までに提出する必要があります。

<第1種事業:卸売業 →90%>
他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで
他の事業者に対して販売する事業(事業者に販売)

<第2種事業:小売業→80%>
他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで
販売する事業で第1種事業以外のもの(消費者に販売)

<第3種事業:農業、建設業、製造業(製造小売業を含む)他→70%>

<第4種事業:第1種事業~第3種事業、第5種事業以外の事業→60%>
例えば飲食業、金融業、保険業
加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業該当します。

<第5種事業:不動産業、サービス業等→50%>
例えば運輸業、通信業、教育、福祉、医療、理容業、美容業、自動車整備業

「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」
を提出しない限り、効力は存続します。(1度免税事業者になっても)

また、簡易課税を選択すると最低2年間は変更することができません。注意し
て下さい。

売上が数種類ある人は、その売上が第何種になるのかを日々記帳し、申告時に
集計をする必要があります。

<複数の業種にわたって売上がある場合>

小売や卸し、小売とサービス等複数の業種にわたって課税売上高がある場合は
そろぞれの業種の課税売上高がいくらであるかを計算する必要があります。み
なし仕入れ率は下記のような計算式で計算します。

みなし仕入れ率=
(第1種に係る消費税額×90%+第2種に係る消費税額×80%
+第3種に係る消費税額×70%+第4種に係る消費税額×60%
+第5種に係る消費税額×50%)
/(第1種に係る消費税額+第2種に係る消費税額+第3種に係る消費税額
+第4種に係る消費税額+第5種に係る消費税額)

例えば第1種が80万円で第2種が80万円の場合は
(80万円×90%+80万円×80%)/(80万円+80万円)=85%
160万円×85%=136万円が控除対象仕入れ税額となります。

<みなし仕入れ率の適用の特例>

上記で説明した方法が原則的な計算方法です。
しかし1種類又は特定の2種類の事業の課税売上高が全体の課税売上高の75%
以上を占める場合、特例計算が認められています。(通称「75%ルール」)

今回は2種類あり1種類が 75%以上を占めた場合についてお話しします。

例えば第1種の課税売上高が3,000万円、第5種の課税売上高が1,000万円とす
ると、

原則で計算すると
(120万円×90%+40万円×50%)/(120万円+40万円)=80%
160万円×80%=128万円が控除対象仕入れ税額となります。

特例を使うと第1種が 75%以上あるため、全ての税額を90%で計算することが
できます。160万円×90%=144万円が控除対象仕入れ税額となります。

税額は160万円-144 万円=16万円(消費税額)
16万円×25%=4万円(地方消費税額)
16万円+4万円=20万円(合計の納める税額)

例えば第1種課税売上高が 3,000万円、第5種の売上高があと100万円増えた
1,100万円で計算してみると75%ルールが適用できなくなるため、

(120万円 ×90%+44万円×50%)/164万円=79.26%
160万円×79.26%=130万円(端数処理をして)
164万円-130万円=34万円(消費税額)
34万円×25%=85,000円(地方消費税額)
34万円+75,000円=425,000円(合計の納める税額)

第5種の課税売上高が 100万円(税額で5万円)違うだけで
納める税額が225,000円異なることもあります。

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Q.平成12年に 3,000万円を超えましたが、平成14年には1,500万円しかありま
せんでした。平成14年に消費税の申告をおこなう必要がありますか?

A.はい、あります。平成 14年に消費税の申告をするかしないかは平成12年の
売上で判断するのであって平成14年の売上高では判断しません。しかし、消費
税額の計算は平成14年の売上でおこないます。また、平成14年の売上が3,000
万円未満なので平成16年には消費税の申告は必要ありません。

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Q.事業に使っていた固定資産の譲渡代金にも消費税が課税されますか。

A.はい。簡易課税の場合は第4種となります。

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Q.不動産貸付で住宅用の場合は非課税と聞きましたが。店舗兼住宅を貸して
いる場合はどうなりますか。

A.店舗兼住宅を一括して貸しつけている場合は住宅部分のみが非課税となる
ので注意して下さい。

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Q.住宅を貸しているのですが、その際に共益費をもらっています。共益費は
課税となるのですか。

A.集合住宅の共用部分に係る費用を入居者が負担する共益費は住宅の貸付の
対価となり非課税となります。ただし、プール等で居住者以外も利用料や会費
等を支払うことにより、利用できるような施設は家賃とあわせて徴収される場
合でも課税取引となります。

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Q.平成17年から課税売上が1,000万円以上の場合は課税事業者になると聞き
ましたが、私はサービス業で平成14年分の課税売上高が2,100万円(税込み)
あるのですが、簡易課税だといくら納めるようになりますか。

A.消費税を計算する場合、その年の課税売上高で計算します。平成17年の課
税売上高が2,100万円という仮定でお話しします。サービス業の場合、第5種
にあります。みなし仕入れ率は50%になります。
2,100万円×4/105×50%×125%=50万円
税額は50万円となります。

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Q.新聞の販売店を行っていますが、簡易課税では第何業種になりますか。

A.事業者に販売した売上は第1種、消費者に販売した場合は第2種、折込広
告収入は第5種となります。それぞれの課税売上高をしっかりわけるようにし
て下さい。

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次回から数回にわけて税務調査についてお話ししたいと思います。

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