お知らせ

令和2年度 中学生による「税についての作文」杉並青色申告会会長賞受賞作品を掲載しました。

「杉並青色申告会会長賞」受賞作品
和田中学校 宮坂和奏那さん

「平和を生む税金」

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私たちが大人になったら、絶対と言っていいほど払うことになる所得税。これは一年間の収入から必要経費などを差し引いた所得に対して課せられる税金のことです。

そもそも税金は自分達の生活を支えるために国に払うものであり、納税の義務は憲法で定められています。消費税は普段買い物をすれば必ず払わなければいけないので、中学生で知らないという人は少ないと思います。けれど、所得税は実際払っているわけではないので知っている中学生の方が少ないかもしれません。では所得税はどのようなことに使われているのでしょうか。調べたところ税金には使い道を特定せずに徴収する普通税と、使い道を決めた上で徴収する目的税があることが分かりました。普通税には消費税、所得税、住民税があり、目的税には電源開発促進税や入湯税などがあります。八%から十%に増税さえた消費税はその増税理由として年金や医療保険、介護保険、生活保護などの社会保障財源のためとかいてありました。所得税は消費税のように具体的にかかれている訳ではないけれど、普通税の使い道として社会保障関係費、公共事業関係費、防衛関係費などがありました。また、所得税は十種類に分かれていて「山林所得」など限られた人しか知らないものもありますが、その中でも仕事をして稼いだお金に課せられる「給与所得」や「事業所得」などは多くの人が目にすると思います。給与所得は「年収千万円なら所得税は八五万円、五百万円なら十四万円、百三万円までなら〇円」というように年収によって所得税は違います。年収が多ければ多いほど払わなければならない所得税は増えていきます。さらに年収千万円の人と五百万円の人がいたとして、そこから所得税や住民税などを引いた手取り年収は二倍ではなく一・八倍ぐらいになることがあります。なので合計年収は多くても一概に年収が多い方が良いとは言えません。

私は今まで所得税は何のためにあるのか分かりませんでした。一生懸命働いてお金を貰ったのにそこからお金が引かれるなんておかしいし、働く意欲が下がってしまうのではないかと思っていました。けれどそれは違って、所得税は高所得者から多くの税金を集め、低所得者からは税金を集めないという柔軟な対応ができ、これにより大きな貧富の差を少なくすることができます。全ての人に一律の税率を課す消費税と比べ、みんなが平等に楽しく暮らせる素晴らしい税金だということが分かりました。税金にはデメリットもあるけれど少子高齢化が進む今、とても良いと思いました。なので一人一人が所得税だけでなく全ての税金の必要性を理解して、しっかりと納めることが大切だと思いました。