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税制改正 3

超簡単!税情報 2003年6月1日発行(第50号)

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   □□□「超簡単!税情報 初心者のための税のいろは 」□□□

発行元:社団法人 杉並青色申告会 2003/6/1 No050  読者数:1985
http://www.aoiro.org/

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皆さん、こんにちは。ついにこのメルマガも創刊してから1年経ちました。皆
さんに支持されてなんとか読者も2,000名近くなりました。これからも皆さん
に有益な情報を提供していきたいと思います。よろしくお願いします。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃■身近な税の話 「税制改正3」     ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━
 
前回の中小企業の少額減価償却資産の特別制度に続き、今回は消費税の改正に
ついてお話します。

消費税の改正は大きなもので3つあります。

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1)課税事業者の免税額が 1,000万円に(現行3,000万円)引き下げられます。

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平成15年分の課税売上高が1,000万円を越えたときに
平成17年に消費税の申告を行わなければなりません。
(申告期限は平成18年3月31日)

<課税事業者とは>
1.基準期間に課税売上高が1,000万円(現行3,000万円)を越えた人
2.免税事業者が課税事業者になることを選択した人

<課税売上とは>
日本国内の取引には消費税が課税される売上(課税売上)と非課税なものがあり
ます。課税売上は非課税以外のものということになるので非課税のものをいく
つかご紹介したいと思います。

・土地の譲渡、貸付(貸付期間が1ヶ月未満又は駐車場等を除く)
・保険料・切手、印紙・商品券、プリペイドカード・行政手数料・社会保険料
・埋葬料・学校の授業料等・住宅の貸付け(店舗の貸付けは課税です)等

つまり課税売上が 1,000万円以上ということは上記の非課税以外の売上を合計
して1,000万円以上ということです。

<基準期間とは>
その年に消費税の確定申告を行うかどうかを判定する期間のことで、前々年で
判定します。

平成17年の場合は基準期間は平成15年となります。

<税額の計算の方法>
一般課税(通常の課税)と簡易課税制度があります。

1.一般課税
課税売上高に係る預かり消費税から課税仕入れに係る仮払い消費税を差し引い
た額を納税します。実際に支払った消費税額を差し引くため、事務所や車など
の額の大きな事業用資産を購入した場合、納税額が少なくなる又は還付になる
ケースがあります。

2.簡易課税
課税売上高に係る預かり消費税から業種毎に決められたみなし仕入れ率で計算
された仮払い消費税(実際に支払った仮払い消費税ではない)を差し引いた額を
納税します。実際に支払った消費税額は差し引かず、みなし仕入れ率で計算し
た消費税額を差し引くため事務所や車などの額の大きな事業用資産を購入した
場合でも納税額が少なくなる又は還付になることはありません。


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2)簡易課税の適用上限が 5,000万円に(現行2億円)引き下げられます。

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この改正は個人事業者の場合、平成17年分から適用されます。

※簡易課税制度とは消費税の確定申告を行うときの計算方法の1つです。簡易
課税制度を選択する場合にはその選択する事業年度の始まる前に(平成17年か
ら選択したい場合は平成16年12月31日まで)その届出を提出しなければなりま
せん。

※ただし、平成17年に初めて課税事業者になる者はその事業年度中に提出して
も(平成17年から選択したい場合は平成17年12月31日まで)その適用を受けるこ
とができます。


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3)総額表示が義務付けられます。

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課税事業者が商品の販売、サービスの提供等の取引を行うときに、取引価格を
表示する場合は消費税額を含めた価格表示をすることが義務付けられます。

この改正は平成16年4月1日より適用されます。

具体例)
・10,500円
・10,500円(税込)
・10,500円(本体価格 10,000円)
・10,500円(うち消費税500円)
・10,500円(本体価格 10,000円、消費税額500円)

※店頭における表示のほかに、チラシ、新聞、テレビインターネット等による
広告も含まれます。
※口頭による価格の提示は総額表示となりません。

○スケジュール(等幅フォントでご覧ください)

H15.1     H16.1   H16.4     H17.1         H18.1  H18.3
├──────┼────┼──────┼───────────┼───┤
│  ←※1→ │    ※2      │    ←※3→    │  ※4│

※1[平成15年1月~平成16年1月]改正後、初めての課税基準期間
→この期間の課税売上が1,000万円を超えるか判定
※2[平成16年4月]価格表示の義務付けが開始
※3[平成17年1月~平成18年1月]改正後、初めての課税期間
→この期間の課税売上等で申告を行います。
※4[平成18年3月]改正後、初めての申告期限


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例1)理容業、(第5種)
課税売上1500万円、仕入50万円、租税公課20万円、水道光熱費80万円、
接待交際費20万円、修繕費30万円、減価償却費200万円、給料賃金700万円
諸会費10万円、サービス費50万円、研究費20万円、消耗品費20万円、
専従者給与200万円
(支出合計1,400万円、課税仕入れ270万円)
───────────────────────────────────

<一般課税の時>
1,500万円×4/105=571,400円(仮受消費税)
270万円×4/105=102,857円(仮払消費税)
571,400円-102,857円=468,500円(差し引き消費税)
468,500円×25%=117,100円(地方消費税)
468,500円+117,100円=585,600円(納付すべき消費税額)

<簡易課税の時>
1,500万円×4/105=571,400円(仮受消費税)

理容業は第5種のため
571,400円×50%=285,700円(仮払消費税)
571,400円ー285,700円=285,700円(差し引き消費税)
285,700円×25%=71,400円(地方消費税)
285,700円+71,400円=357,100円(納付すべき消費税額)

一般課税と簡易課税を比較すると簡易課税の方が有利です。
理容業の場合は一般的には課税仕入れが少ないため簡易課税が有利になりやす
いです。また、この例だと所得金額は100万円となり、控除を差し引くと所得
税額は少額もしくは0円となります。つまり所得税を納めていない人でも35万円
消費税を納める人も出てきます。

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例2)鮮魚小売、(第2種)
課税売上1,100万円、仕入600万円、荷造り運賃40万円、水道光熱費30万円、
地代家賃100万円、その他70万円(うち20万円は非課税仕入れ)
(支出合計840万円、課税仕入れ820万円)
───────────────────────────────────

<一般課税の時>

1,100万円 ×4/105=419,040円(仮受消費税)
820万円×4/105=312,380円(仮払消費税)
419,040円-312,380円=106,600円(差し引き消費税)
106,600円×25%=26,600円(地方消費税)
106,600円+26,600円=133,200円(納付すべき消費税額)

<簡易課税の時>
1,100万円×4/105=419,040円(仮受消費税)

鮮魚小売業は第2種のため
419,040円×80%=335,232円(仮払消費税)
419,040円-335,232円=83,800円(差し引き消費税)
83,800円×25%=20,900円(地方消費税)
83,800円+20,900円=104,700円(納付すべき消費税額)

一般課税と簡易課税を比較すると一般課税の方が有利です。鮮魚小売業の場合
は卸売りもある人がいます。その時は簡易課税の計算は卸売りの金額と小売の
金額を明確に分ける必要があります。また、卸売りは第1種になるため、上記
より簡易課税の税額が減ります。そうなると一般課税と簡易課税のどちらが有
利なのかは検討の余地がでてきます。

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例3)飲食業、(第4種)
課税売上1,100万円、仕入500万円、租税公課10万円、水道光熱費80万円、
減価償却費20万円、サービス費10万円、
その他40万円(うち10万円は非課税仕入れ)
(支出合計660万円、課税仕入れ620万円)
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<一般課税の時>

1,100万円 ×4/105=419,040円(仮受消費税)
620万円×4/105=236,190円(仮払消費税)
419,040円-236,190円=182,800円(差し引き消費税)
182,800円×25%=45,700円(地方消費税)
182,800円+45,700円=228,500円(納付すべき消費税額)

<簡易課税の時>
1,100万円×4/105=419,040円(仮受消費税)

飲食業は第4種のため
419,040円×60%=251,424円(仮払消費税)
419,040円-251,424円=167,600円(差し引き消費税)
167,600円×25%=41,900円(地方消費税)
167,600円+41,900円=209,500円(納付すべき消費税額)

一般課税と簡易課税を比較すると簡易課税の方が有利です。しかし、差額が少
ないため、その年、年でどちらが有利か変わる可能性があります。また、簡易
課税は減価資産の取得があっても税額には影響しないため、一般課税と簡易課
税の選択には数年分の申告を見てみる必要があります。

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Q.美容業で売上が 2,100万円ぐらいあるのですが、どれくらい消費税を納め
る必要がありますか?

A.一般課税か簡易課税で計算が異なります。また、一般課税の場合課税売上
だけでなく課税仕入も考えないと税額が出せません。簡易課税だと2,100万円
だ美容業であれば税額は50万円になります。簡易課税の税額表は下記をクリッ
クしてください。

http://www.aoiro.org/magazine0601.htm

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Q.課税売上高が 4,000万円あり、現行の制度で消費税を申告しています。今
回の改正によって納税額が増えることはありますか?

A.基本的にはないです。しかし、課税売上高が5,000万円以上で現行の制度
で簡易課税を選択している人は簡易課税を選択できなくなり、納税額が増える
可能性があります。

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Q.私の店では売り上げは 2,000万円ほどありますが、消費税をお客さんから
もらっていません。また、これからももらうつもりはありません。その場合で
も消費税の申告をする必要があるのですか?

A.はい、あります。お客さんから消費税を頂いていなくても課税売り上げが
1,000万円を超えて課税事業者となれば、お客さんから頂いているお金は消費
税を含んだ額とみなされます。例えば、今まで500円の商品は、477円と23円の
消費税を含んだ額と考えます。

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Q.前回の少額減価資産の即時償却は白色申告でも適用できますか?

A.いいえ。個人事業者であれば青色申告者のみです。

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次回は相続税と贈与税の改正についてお話したいと思います。

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http://www.aoiro.org/

東京国税局長より設立許可を受けている公益団体です。
役員は会員の中から選ばれ、ボランティアで会の運営にあたっています。
会員の疑問や相談に応じるため事務局に職員をおき、
税金問題をはじめ、様々な相談に応じています。
主な会員層は小規模事業者であり、記帳指導をはじめ、
税務・法律・経営・金融・労務ほか旅行・共済などの福利厚生事業も
幅広く行っています。

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発行者

発行:社団法人杉並青色申告会  編集:HP委員会
東京都杉並区阿佐谷南3-1-26
03(3393)2831
http://www.aoiro.org
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