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個人事業主にまつわる税務署に対する各種届出

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□□□「超簡単!税情報 初心者のための税のいろは」□□□

発行元:公益社団法人 杉並青色申告会 2016/8/01 No198 読者数:3,332人
https://www.aoiro.org/

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みなさんこんにちは。
ジメジメとした梅雨の時期も終わり、本格的な夏がやってきますね。
水分補給をこまめに行い、熱中症対策をしっかりとしていきましょう。

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┃■身近な税の話「個人事業主にまつわる税務署に対する各種届出」    ┃
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何をするにも届出というのは必要になりますよね。
今回は個人事業主にまつわる税務署に対する各種届出についてのお話です。

最初に当会でよく扱う個人事業主にまつわる届出書をざっと挙げてみます。
中には皆さんがもう提出済の届出もあるのではないでしょうか。

○個人事業の開業・廃業等届書
○所得税の青色申告承認申請書
○所得税の青色申告の取りやめ届出書
○所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書
○所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書
○青色事業専従者給与に関する届出/変更届出書
○源泉所得税の納期の特例に関する申請書
○給与支払事務所の開設・移転・廃止届出書
○消費税課税事業者届出書
○消費税課税事業者選択届出書
○消費税課税事業者選択不適用届出書
○消費税簡易課税制度選択届出書
○消費税簡易課税制度選択不適用届出書  等々、

これらの各種届出書類は全て所轄の税務署長に提出します。

それでは、上記の中でも特に皆様に関わりがあるものを説明していきます。

1 「個人事業の開業・廃業等届書」

  みなさんご商売を始めたときにこの書類を税務署で提出しましたよね。
  所轄の税務署に「個人事業主として商売を開始しました」という届け出に
  あたるものが「個人事業の開業・廃業届出書」です。

  また廃業した時もこの書類を提出します。
  提出時期は開業・廃業をしてから1カ月以内にするものになっています。

2 「所得税の青色申告承認申請書」

  確定申告は、青色申告・白色申告と2種類あります。
  税制上優遇されているのは青色申告です。

  青色申告をする場合、届出をして、税務署の承認を受ける必要があります。
  それが「所得税の青色申告承認申請書」です。この書類は「青色申告しま
  す」という届出になります。通常、上記1の「個人事業の開業・廃業等届書」
  と一緒に提出します。

  尚、こちらの書類の提出にはいくつか注意点があります。

  <提出時期>

  提出時期を過ぎてから提出した場合、翌年からの適用になります。

  ・1月16日以降に新たに開業したり不動産の貸付をした場合で、開業年か
   ら青色申告を希望する場合
   →開業日から2ヵ月以内

  ・その他の場合
   →その年の3月15日まで

  ・青色申告を行っていた人の事業を相続により承継した場合

   1.その死亡の日が1月1日~8月31日までの場合
    →死亡の日から4カ月以内
   2.その死亡の日が9月1日~10月31日の場合
    →その年の12月31日まで
   3.その死亡の日が11月1日~12月31日の場合
    →翌年の2月15日まで

   なお、上記の期限が土日・祝日にあたる場合は、その翌日が期限となり
   ます。

  <条件>

  ・正規の簿記(複式簿記)による記帳
   日々の記帳を複式簿記で行い、決算書の損益計算書と貸借対照表を作成
   して提出する必要があります。

   そして、作成した帳簿等は原則7年間保存しなくてはなりません。
   当会では“ツカエル青色申告”というウィンドウズに対応した会計ソフ
   トでの記帳をお薦めしています。

   パソコン初心者でも扱いやすいものになっております。
   検討をご希望の方は是非一度ご来所下さい。

   ※簡易簿記の方式で記帳することも認められています。この場合、控除
    額は最高10万円となります。

3 「所得税の青色申告の取りやめ届出書」

  青色申告の承認を受けていた方が、青色申告による申告を取りやめる場合
  に提出します。
  青色申告を取りやめる翌年の3月15日までに提出します。

  通常上記1の「個人事業の開業・廃業等届書」(廃業届)と同時に提出します。

4 「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」

  転居をしたときに提出します。

  ・転居前・転居後の所轄の税務署に転居後、遅滞なく提出します(所轄の
   税務署内の転居の場合には所轄の税務署に提出)

   例)杉並区阿佐谷南から渋谷区に転居
     →杉並税務署と渋谷税務署に提出
     杉並区成田東から杉並区阿佐谷南に転居
     →杉並税務署に提出

5 「給与支払事務所の開設・移転・廃止届出書」

  従業員などを雇って、給与を支払うことになったときや、家族に専従者給
  与を支払うことになったときなどに、この届出が必要になります。

  また、給料を支払うときは、従業員の所得税を天引き(源泉徴収)して、従
  業員に代わって税務署に税金を納めることになります。

  「給与支払事務所の開設・移転・廃止届出書」を税務署に提出すると、源泉
  徴収した所得税を納付する用紙が送られてきます。給与を支払わなくなっ
  たとき、給与支払事務所を移転したときにも提出します。

  いずれの場合も1カ月以内に提出します。

6 「源泉所得税の納期の特例に関する申請書」

  給与等を支払うものは源泉徴収義務者となります。
  通常、源泉徴収義務者が従業員から徴収した税金は、翌月10日までに源泉
  徴収義務者によって税務署に納付されます。

  従業員などが10人未満の個人事業主は、「源泉所得税の納期の特例の承認
  に関する申請書」を税務署に提出した場合には、源泉徴収した所得税を毎
  月ではなく年2回に分けて納付することができます。
  年間12回納付する手間がこの特例を受けると2回の納付で済んでしまいます。

  こちらの書類も5の給与支払事務所の開設・移転・廃止届出書と一緒に提出
  するとよいです。

  提出月の翌月からの適用となりますのでご注意ください。

さて、今日は皆さんに関係のある代表的な届出をいくつかご紹介しました。
まだまだ他にも届出の種類はたくさんあります。中には届出をしておかなくて
は損をしてしまうものもたくさんあります。まずは知ることが大事ですね。

次回は個人事業主にまつわる税務署に対する各種届出(2)のお話です。

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