よくある質問

売手が負担する振込手数料相当額について教えてください。

◆ 質問詳細 ◆
<売手からの代金請求について、取引当事者の合意の下で買手が振込手数料相当額を請求金額から差し引いて支払うことで売手が負担する商慣行があります。この売手が負担する振込手数料相当額について、売手が代金請求の際に既に適格請求書を交付している場合に、必要となる対応を教えてください。>

取引当事者間の契約関係等により、次のように対応が分けられます。

1.売手が振込手数料相当額を売上値引きとする場合

売手は、振込手数料相当額について売上値引きとする場合、売上げに係る対価の返還等を行っていることとなりますので、原則として、買手に対して適格返還請求書を交付する必要がありますが、一般的には、こうした振込手数料相当額は1万円未満となると考えられますので、その場合は適格返還請求書の交付義務が免除されることとなります。
ご質問の場合は、売上値引きの金額が440円であるため、当該売上値引きに係る適格返還請求書の交付は必要ありません。
なお、売手が買手に対して売上げに係る対価の返還等を行った場合の適用税率は、売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等の適用税率に従います。そのため、軽減税率(8%)対象の課税資産の譲渡等を対象とした振込手数料相当額の売上値引きには、軽減税率(8%)が適用されます。

2.振込手数料相当額について、売手が買手から「代金決済上の役務提供(支払方法の指定に係る便宜)」を受けた対価とする場合

売手の買手に対する課税資産の譲渡等と、買手の売手に対する代金決済上の役務の提供は、それぞれ異なる課税資産の譲渡等となります。
したがって、売手は、請求金額から差し引かれた振込手数料相当額について、仕入税額控除の適用を受けるためには、買手から交付を受けた適格請求書の保存が必要となります。
なお、売手は、請求金額から差し引かれた振込手数料相当額について、仕入明細書等を作成し、買手の確認を受けて仕入税額控除を行うこともできます。

一定規模以下の事業者については、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間に国内において行う課税仕入れについて、当該課税仕入れに係る支払対価の額が1万円未満である場合には、一定の事項が記載された帳簿のみの保存により、当該課税仕入れについて仕入税額控除の適用を受けることができる経過措置が設けられています。

3.買手が売手のために金融機関に対して振込手数料を立替払したものとする場合

買手が売手に代わって振込手数料を立替払したものとする場合、売手は、買手が金融機関から受け取った振込手数料に係る適格請求書及び買手が作成した立替金精算書等の交付を受け、振込手数料に係る仕入税額控除を行うことになります。(この場合、買手が請求金額から差し引く金額が金融機関の振込手数料と同額である必要があります。)
なお、買手が金融機関のATMを使って振込手続を行った場合、当該ATM手数料は自動販売機特例の対象となりますので、買手が金融機関から受け取った適格請求書及び買手が作成した立替金精算書等の保存は不要となります。
(売手は、買手が差し引いた金額が振込手数料であること及び立替えでの支払が金融機関のATMでの振込みであることを確認した上で、一定の要件の下で帳簿のみの保存により仕入税額控除を行うことが可能となります。)

一定規模以下の事業者については、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間に国内において行う課税仕入れについて、当該課税仕入れに係る支払対価の額が1万円未満である場合には、一定の事項が記載された帳簿のみの保存により、当該課税仕入れについて仕入税額控除の適用を受けることができる経過措置が設けられています。

★詳しい資料はこちら!(国税庁のホームページにリンクします。)

【インボイス制度についてのよくある質問は、順次追加・更新予定です。】